年寄りですね

「おいどんさんは何歳ですか?」「そうですか。年寄りですね」
韓国で何度と無く交わされた会話。別に嫌みで言ってる訳じゃないよ。韓国では儒教の文化で親や年長者、会社の上司等を敬う習慣がしっかり残っています。だから、初対面で「何歳ですか?」「役職は?」ってはっきり聞いてまずお互いのポジションを明確にする事をします。
おいらは何度と無く「年寄りですね」と言われました。最初は慣れないので、随分気にさわった物でした。「あんた年寄りなんてひどいこというじゃないか。それが客に対する態度か?」なんて思ったこともあります。

そのうち韓国の習慣についても聞く機会ができ、年齢、役職を聞く理由も解ってきました。そして、韓国の人はこれを厳格に守ります。上司の前ではたばこを吸えない、酒も正面向いては飲まない等・・「詳細は不思議の国韓国出張記」参照
おいらは年寄りです。皆さんから年寄り年寄りと言ってお酒が廻ってきます。さらにまた、韓国の停年は55歳なので、40台後半のおいらは韓国では停年間近って事になります。
こんな生活を1ヶ月近くしていると、本当に自分が年寄りに見えてきます。確かに同行者が30代の第一戦から選んできた優秀なエンジニア。おいらより遙かに仕事が速い。自然と若い人用の仕事と年寄り(おいら)の仕事と別れていきます。
年寄り向きの仕事(調整業務)をやりながら、年寄り年寄りと言われると本当にその気になってきます。今に退職金を受け取って会社を辞めて行くような錯覚を覚えます。
此処は韓国で、日本では無いんだ・・って所へ戻すのに結構力が要ったりします。それは年寄りと呼ばれる事で楽な所に安住してしまおう・・って誘惑があるから。

でも少し早めに韓国で年寄りに成れ、日本の5年分を先取りして経験してきたので、5年間の蓄えが出来たような物です。今の問題は、その蓄えにどうつなげていくか。5年後の世界は解っている。では、どういう5年後をあなたは選びますか。その為に何をしますか。

あなた年寄りですね。そろそろ本当に日本でも言われる様になる。あの年寄りの・・
さて、どう生きていきますか。
確かあなたは若いときから希望を持っていましたよね。それは何でしたっけ?
この先、それやってくんでしょ。何でしたかね。あなたの希望、夢ってやつ。ほら何時も言ってたでしょう。あれですよ、あれ。


お香を買ってきました。アロマテラピーってんですか。森の香りての買ってきた。でもこれ煙いね。しかもどうみてもお線香にしか見えないし、香りもお香ってよりお灸って感じなんだよなあ。おいらは何時も変な物に凝ってしまって失敗が多い。先日は猫背矯正ベルトなんか通販で買って結局使わずじまい。まあいいか。みんな失敗しながら大きくなるんだ。