めがねの中の世界

眼鏡の中の世界

遠近両用を買いました。おいらがめがねを通してみる世界はゆがんでいます。ピントが合うのはある一点のみ、遠くか近くのその部分だけが見えます。しかも上目、下目で見ないとうまく見えません。まっすぐ物事を見つめることは出来ません。注視しているところ以外はゆがんで見えます。足もとを見ながら歩くことも出来ません。
おいらの頭の中も同じ状況。一点しかみえず、廻りの世界はすべてかすんでいます。めがねの中の世界と同じくわずかに空いている空間の他は全てゆがんでいる。おいらにはゆがんだ世界しか見えない。視力2.0、何でも見えたのはもう遠い昔の事。いつの間にか物事にかすみをかけて、ゆがめて考える様になってしまいました。
若い頃の無限の時間から、人生を残りの時間から逆算して考えるような年代に来た今、遠近両用のゆがんだ世界に住む様になった今、せめて生き方だけはゆがみなくクリアーでいたいとこの眼鏡が考えさせてくれました。
おいどんも歳をとりました。